先日、ある人にお願い事をしたところ、「少し考えて、後程お返事いたします。」というメールが返ってきました。このメールをもらったのは午後6時半ごろでした。
この場合、どのぐらい後に返事が来ると期待しますか?
① すぐ
② 数時間後~その日のうち
③ その日のうち~翌日
答えは②です。
私も、その日のうちに連絡が来るものと思い、携帯を小まめにチェックしながら夜中まで待っていましたが、返事が来たのは翌日でした。「それなら初めから「明日」と書いてくれればよかったのに・・」と、感じました。
<解説>
「後程(のちほど)」は「後で」をより丁寧にした言い方で、「少し時間が経ってから」という意味です。
「後程ご連絡します。」と言われたら、たいていの人は数時間以内に連絡が来るだろうと期待します。どんなに遅くても「その日のうち」、会社なら「その日の業務時間内」に連絡が来ると思って待ちます。翌日とは思いません。
◇ 「後程」は、どんなに遅くても「その日のうち」です。日付をまたぎません。
「後で」や「後程」は、人によって感覚が違うため、特に仕事ではトラブルを招きがちです。「3時までに」「明日中に」「木曜日までに」など、期限を具体的に言ったほうがいいでしょう。
2012年5月31日木曜日
2012年5月24日木曜日
聞き入る(いる)?聞き入る(はいる)?
<問題>
赤字の部分は、どのように読みますか。
① バイオリンの美しい音色に聞き入った。
② 関係者以外、敷地内に立ち入らないでください。
③ 強盗は2階の窓を割って押し入ったらしい。
<解答>
① いった ② いらないで ③ いった
<解説>
「動詞+入る」という形の複合動詞には、以下のようなものがあります。数は多くありません。
後続の「入る」は常に「いる」と読み、前に付く動詞の意味を強めます。
・ 聞き入る = 熱心に聞く
・ 立ち入る = 中に入る/干渉する
・ 押し入る = 無理に/不法に入る
・ 恥じ入る = 深く恥じる 例: 自分の過ちに恥じ入る。
・ 寝入る = 深く眠る 例: バスで寝入ってしまい、財布をすられた。
・ 感じ入る = 深く感心する 例: 彼の勇気に感じ入った。
・ 見入る = 関心を持ってじっと見る 例: 鮮やかな3D映像に思わず見入った。
◇ 複合動詞の「~入る」を、「はいる」と読むことは絶対にありません。
赤字の部分は、どのように読みますか。
① バイオリンの美しい音色に聞き入った。
② 関係者以外、敷地内に立ち入らないでください。
③ 強盗は2階の窓を割って押し入ったらしい。
<解答>
① いった ② いらないで ③ いった
<解説>
「動詞+入る」という形の複合動詞には、以下のようなものがあります。数は多くありません。
後続の「入る」は常に「いる」と読み、前に付く動詞の意味を強めます。
・ 聞き入る = 熱心に聞く
・ 立ち入る = 中に入る/干渉する
・ 押し入る = 無理に/不法に入る
・ 恥じ入る = 深く恥じる 例: 自分の過ちに恥じ入る。
・ 寝入る = 深く眠る 例: バスで寝入ってしまい、財布をすられた。
・ 感じ入る = 深く感心する 例: 彼の勇気に感じ入った。
・ 見入る = 関心を持ってじっと見る 例: 鮮やかな3D映像に思わず見入った。
◇ 複合動詞の「~入る」を、「はいる」と読むことは絶対にありません。
2012年5月17日木曜日
もう十分です!?
◇ 日本人の家に招待されて、手料理をごちそうになったことがある人も多いでしょう。下のケース
のように、「おいしいけれど、もうおなか一杯で食べられない!」という状況に陥った人も、たく
さんいるはずです。
先日、Cさんは上司の家に招待されました。上司の奥さんの手料理をすすめられるままに食べているうちに、すっかり満腹になりました。
上司 「Cさん、おかわりは?」
上司の奥さん 「どうぞどうぞ遠慮しないで。まだたくさんありますから。」
Cさん 「(困ったなあ・・もう食べられない・・)あ、あの、ありがとうございます。でも、もう十
分ですので。」
Cさんはこの時、上司と奥さんの顔色が少し変わったのに気づいたそうです。
何が良くなかったのでしょうか。皆さんなら、どのように断りますか。
<解説>
「もう十分です」は、「これ以上は要りません」「必要ありません」という意味なので、そのまま使うと冷たく聞こえてしまいます。
(使用例)
・言い訳はもう十分です。(=あなたの言い訳はもう聞きたくないです。)
・話し合いはもう十分です。(=これ以上、話す必要はありません。)
◇ Cさんのケースであれば、次のように言えば良かったでしょう。
Cさん 「ありがとうございます。でも、もう十分いただきましたので・・・」
奥さん 「あら、そうですか・・?」
Cさん 「ええ、本当においしくて、つい食べ過ぎてしまいました。」
◇ 「いただきました」の一言を添えることによって、「おなかが一杯」という説明になります。同時
に、相手への感謝も伝わります。さらに、「本当においしかった!」ことをはっきり伝えれば、OKです。
のように、「おいしいけれど、もうおなか一杯で食べられない!」という状況に陥った人も、たく
さんいるはずです。
先日、Cさんは上司の家に招待されました。上司の奥さんの手料理をすすめられるままに食べているうちに、すっかり満腹になりました。
上司 「Cさん、おかわりは?」
上司の奥さん 「どうぞどうぞ遠慮しないで。まだたくさんありますから。」
Cさん 「(困ったなあ・・もう食べられない・・)あ、あの、ありがとうございます。でも、もう十
分ですので。」
Cさんはこの時、上司と奥さんの顔色が少し変わったのに気づいたそうです。
何が良くなかったのでしょうか。皆さんなら、どのように断りますか。
<解説>
「もう十分です」は、「これ以上は要りません」「必要ありません」という意味なので、そのまま使うと冷たく聞こえてしまいます。
(使用例)
・言い訳はもう十分です。(=あなたの言い訳はもう聞きたくないです。)
・話し合いはもう十分です。(=これ以上、話す必要はありません。)
◇ Cさんのケースであれば、次のように言えば良かったでしょう。
Cさん 「ありがとうございます。でも、もう十分いただきましたので・・・」
奥さん 「あら、そうですか・・?」
Cさん 「ええ、本当においしくて、つい食べ過ぎてしまいました。」
◇ 「いただきました」の一言を添えることによって、「おなかが一杯」という説明になります。同時
に、相手への感謝も伝わります。さらに、「本当においしかった!」ことをはっきり伝えれば、OKです。
2012年5月10日木曜日
「以前」と「依然」
先日、「いぜん」という言葉のアクセントが原因で会話がかみ合わない経験をしました。
Yさん: 韓国では以前、少子化問題が深刻です。
私: 今はどうなんですか?
Yさん: ですから、今も、深刻です。
私: ???(さっき、以前、と言ったよね?)
Yさん: 依然、千葉に住んでいました。
私: え?いつですか?今も?
Yさん: 2年前です。
私: ???
◇ 「以前(=前は)」と「依然(=今も)」は、どちらも「いぜん」と読みますが、アクセントが異なります。私たちは、アクセントの型で意味を聞き分けています。Yさんは、二つの言葉のアクセントを間違えて発音したため、混乱が生じてしまったのです。
(正) 以前(いぜん)⇒高低低
(正) 依然(いぜん)⇒低高高
(正) 韓国では依然(低高高)、少子化問題が深刻です。(=今も、深刻です)
(正) 以前(高低低)、千葉に住んでいました。(=前は、千葉に住んでいました)
◇ アクセントの間違いによって、言いたいことが相手に正確に伝わらないこともあるので、注意しましょう。
Yさん: 韓国では以前、少子化問題が深刻です。
私: 今はどうなんですか?
Yさん: ですから、今も、深刻です。
私: ???(さっき、以前、と言ったよね?)
Yさん: 依然、千葉に住んでいました。
私: え?いつですか?今も?
Yさん: 2年前です。
私: ???
◇ 「以前(=前は)」と「依然(=今も)」は、どちらも「いぜん」と読みますが、アクセントが異なります。私たちは、アクセントの型で意味を聞き分けています。Yさんは、二つの言葉のアクセントを間違えて発音したため、混乱が生じてしまったのです。
(正) 以前(いぜん)⇒高低低
(正) 依然(いぜん)⇒低高高
(正) 韓国では依然(低高高)、少子化問題が深刻です。(=今も、深刻です)
(正) 以前(高低低)、千葉に住んでいました。(=前は、千葉に住んでいました)
◇ アクセントの間違いによって、言いたいことが相手に正確に伝わらないこともあるので、注意しましょう。
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