日本で中国語教室を経営しているUさんという方が、地元のケーブルTV局のインタビューを受けていました。
TV局の人: Uさんの教室に来る生徒さんは、どんな人たちなんですか。
Uさん: そうですねー、昼間は近所の主婦が多いですが、夜は会社員が中心ですね。
赤字の部分について考えてみましょう。
この場合の「主婦」「会社員」はUさんにとって、教室に来てくれる顧客にあたります。
下の例のように「~の方(かた)」を付けて、「主婦の方(かた)」「会社員の方(かた)」と言ったほうが丁寧で、顧客として大事に思っている様子が伝わります。
(例)
「そうですねー、昼間は近所の主婦の方が多いですが、夜は会社員の方が中心ですね。」
◇ 顧客に言及する際、職業や国籍の後ろに「~の方(かた)」を付けることで丁寧になり、大切に思う心が聞いている人に伝わります。
(例)
日本人 ⇒ 日本の方/日本人の方
中国人 ⇒ 中国の方/中国人の方
エンジニア ⇒ エンジニアの方
(例文)
・ いろいろな国からのお客様に、この旅館を利用していただいていますが、最近は中国の方が非常に増えまして、中国語に対応できるスタッフの必要性を感じております。
・ このレストランは、仕事でお世話になっているカメラマンの方が教えてくれたんですよ。料理もおいしいですが雰囲気もいいので、撮影でも利用するそうです。
2012年7月26日木曜日
2012年7月19日木曜日
印象を感じました?
(誤) 初めてAさんに会って、とても明るい人だという印象を感じました。
(正) 初めてAさんに会って、とても明るい人だという印象を受けました。
(正) 〃 持ちました。
(正) 〃 抱きました(いだきました)。
◇ 「印象を感じる」という言い方はせず、「受ける」か「持つ」か「抱く」を使います。
◇ また、上の文のように、心で感じたことについて話す時は、「抱く」は「いだく」と読みます。
(例)
・ 病院で生まれたばかりの我が子を抱いた(だいた)。
・ 会社の方針に疑問を抱く(いだく)。
(正) 初めてAさんに会って、とても明るい人だという印象を受けました。
(正) 〃 持ちました。
(正) 〃 抱きました(いだきました)。
◇ 「印象を感じる」という言い方はせず、「受ける」か「持つ」か「抱く」を使います。
◇ また、上の文のように、心で感じたことについて話す時は、「抱く」は「いだく」と読みます。
(例)
・ 病院で生まれたばかりの我が子を抱いた(だいた)。
・ 会社の方針に疑問を抱く(いだく)。
2012年7月12日木曜日
遅れって申し訳ありませんでした?
ある人からもらったメールに、
「返事が遅れって申し訳ありませんでした。」
と書いてありました。
上級者ともなると、「て形」の間違いはほとんど見られなくなりますが、唯一、「っ」の要らないところに「っ」を入れてしまう間違いは時々見られます。
(誤) 遅れって
(正) 遅れて
これを書いた人は、会話でも「遅れって」と発音している可能性があります。
会話だと一瞬なので、気づかれずに済むかもしれませんが、文字の場合は非常に目立ちます。
他に、同じパターンの間違いとして、以下のものがあります。
(誤) 教えって (正) 教えて
(誤) 覚えって (正) 覚えて
うっかり書き間違えた、というケースもあると思いますが、単純な間違いであればあるほど、読んだ人は「まさか??」と感じます。注意しましょう。
「返事が遅れって申し訳ありませんでした。」
と書いてありました。
上級者ともなると、「て形」の間違いはほとんど見られなくなりますが、唯一、「っ」の要らないところに「っ」を入れてしまう間違いは時々見られます。
(誤) 遅れって
(正) 遅れて
これを書いた人は、会話でも「遅れって」と発音している可能性があります。
会話だと一瞬なので、気づかれずに済むかもしれませんが、文字の場合は非常に目立ちます。
他に、同じパターンの間違いとして、以下のものがあります。
(誤) 教えって (正) 教えて
(誤) 覚えって (正) 覚えて
うっかり書き間違えた、というケースもあると思いますが、単純な間違いであればあるほど、読んだ人は「まさか??」と感じます。注意しましょう。
2012年7月6日金曜日
助詞を間違いします?
以前にも取り上げましたが、とても多い誤用なのでもう一度。
(誤) 時々、助詞を間違いします。
(正) 時々、助詞を間違えます。
◇ 「間違い」という名詞に「する」を付けて、「間違いする」という言い方はできません。 「間違える」という他動詞を使ってください。
(正) すみません、電話番号を間違えました。
(正) いつも、自動詞と他動詞を間違えてしまうんです。
(誤) 時々、助詞を間違いします。
(正) 時々、助詞を間違えます。
◇ 「間違い」という名詞に「する」を付けて、「間違いする」という言い方はできません。 「間違える」という他動詞を使ってください。
(正) すみません、電話番号を間違えました。
(正) いつも、自動詞と他動詞を間違えてしまうんです。
2012年6月28日木曜日
台風を気をつけてください??
(誤) 台風を気をつけてください。
(正) 台風に気をつけてください。
(誤) 病気やけがを気をつけてください。
(正) 病気やけがに気をつけてください。
◇ 「気をつける」の前の助詞は、常に【に】を使います。【を】は間違いです。
(正) 人込みではスリに気をつけてください。
(正) 人込みでは貴重品に気をつけてください。(=貴重品をとられないように気をつけてください)
(正) 台風に気をつけてください。
(誤) 病気やけがを気をつけてください。
(正) 病気やけがに気をつけてください。
◇ 「気をつける」の前の助詞は、常に【に】を使います。【を】は間違いです。
(正) 人込みではスリに気をつけてください。
(正) 人込みでは貴重品に気をつけてください。(=貴重品をとられないように気をつけてください)
2012年6月21日木曜日
「手配」の意味
韓国人のJさんには、日本人の秘書がいます。
Jさん :今度のランチョンセミナーの参加者は何名?
秘書 :ええと、25名です。こちらが参加者リストです。
Jさん :ありがとう。じゃ、これを元に当日の席順表を手配してください。
秘書 :・・・はい。
<質問>
Jさんは、「準備」という意味で「手配」という言葉を使いましたが、その瞬間、秘書が少し不思議そうな顔をしたのに気づいたそうです。「言葉の使い方が間違っていたのでしょうか?」というのが、Jさんの質問です。
<解説>
「手配」という言葉は、次のような場面で使います。
・ 来月部長が北京に出張するため、私が航空券とホテルを手配しました。
・ お客様がお帰りになる時間に合わせて、タクシーを手配しました。
・ 旅行先でマンゴーを買い、帰国の翌日自宅に届くように手配しました。
・ 万が一に備えて、有名歌手の結婚式場に警備員を手配しました。
・ パーティーのために、100名分の料理の手配をしました。
◇ 「手配する」とは単に「準備する」のではなく、「計画がスムーズに運ぶように、関係者に指示を出し、準備する」ことです。例えば、「タクシーを手配する」とは、タクシー会社に必要な指示を出し、適当な場所と時間にタクシーを準備することです。
◇ Jさんのように、「席順表を手配してください」と言うと、「誰かに指示して席順表を準備しなさい」という意味に聞こえます。だから秘書は、「え?私が作るんじゃないの?」と一瞬違和感を覚えたのです。秘書自身が作るのであれば、「準備してください」「作成してください」という言うべきだったのです。
Jさん :今度のランチョンセミナーの参加者は何名?
秘書 :ええと、25名です。こちらが参加者リストです。
Jさん :ありがとう。じゃ、これを元に当日の席順表を手配してください。
秘書 :・・・はい。
<質問>
Jさんは、「準備」という意味で「手配」という言葉を使いましたが、その瞬間、秘書が少し不思議そうな顔をしたのに気づいたそうです。「言葉の使い方が間違っていたのでしょうか?」というのが、Jさんの質問です。
<解説>
「手配」という言葉は、次のような場面で使います。
・ 来月部長が北京に出張するため、私が航空券とホテルを手配しました。
・ お客様がお帰りになる時間に合わせて、タクシーを手配しました。
・ 旅行先でマンゴーを買い、帰国の翌日自宅に届くように手配しました。
・ 万が一に備えて、有名歌手の結婚式場に警備員を手配しました。
・ パーティーのために、100名分の料理の手配をしました。
◇ 「手配する」とは単に「準備する」のではなく、「計画がスムーズに運ぶように、関係者に指示を出し、準備する」ことです。例えば、「タクシーを手配する」とは、タクシー会社に必要な指示を出し、適当な場所と時間にタクシーを準備することです。
◇ Jさんのように、「席順表を手配してください」と言うと、「誰かに指示して席順表を準備しなさい」という意味に聞こえます。だから秘書は、「え?私が作るんじゃないの?」と一瞬違和感を覚えたのです。秘書自身が作るのであれば、「準備してください」「作成してください」という言うべきだったのです。
2012年6月14日木曜日
相変わらずですね!?
久しぶりの出張で東京オフィスに来たSさんは、以前同じチームで働いていた部長のところにあいさつに行きました。
Sさん: 部長!ご無沙汰しております。
部長 : Sさん、久しぶりだね、元気そうだね。
Sさん: 部長も相変わらずですね。
Sさんは、「以前と変わらずお元気そうで何よりです」という意味で言ったつもりでしたが、この場合、部長はちょっとバカにされた気持ちになる可能性があり、危険です。
(解説)
◇ 「相変わらず」は「前と同じ」という意味です。自分自身や身内について、謙遜して話す時に使います。
(例)
・ 私は相変わらず自動車のセールスの仕事をしています。
・ 私は相変わらず高円寺に住んでいます。
・ 息子は相変わらず独身で、休みの日は趣味のゴルフばかりしています。
◇ 「前と同じ」というのは裏を返すと「進歩がない/成長がない」ということですから、目上の方に対して「相変わらず」は、失礼になりかねません。目上の方には使わないほうがいい言葉でしょう。
冒頭のSさんのような場面では、「お元気そうですね」で十分だと思います。
Sさん: 部長!ご無沙汰しております。
部長 : Sさん、久しぶりだね、元気そうだね。
Sさん: 部長も相変わらずですね。
Sさんは、「以前と変わらずお元気そうで何よりです」という意味で言ったつもりでしたが、この場合、部長はちょっとバカにされた気持ちになる可能性があり、危険です。
(解説)
◇ 「相変わらず」は「前と同じ」という意味です。自分自身や身内について、謙遜して話す時に使います。
(例)
・ 私は相変わらず自動車のセールスの仕事をしています。
・ 私は相変わらず高円寺に住んでいます。
・ 息子は相変わらず独身で、休みの日は趣味のゴルフばかりしています。
◇ 「前と同じ」というのは裏を返すと「進歩がない/成長がない」ということですから、目上の方に対して「相変わらず」は、失礼になりかねません。目上の方には使わないほうがいい言葉でしょう。
冒頭のSさんのような場面では、「お元気そうですね」で十分だと思います。
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