先日Aさんは取引先を訪問しました。その日は猛暑でした。
取引先の人 : 暑い中お越しいただいてすみません。あっ、もう少しエアコンの温度下げますね。
Aさん : あっ、このままでけっこうですので、気をお遣いにならないでください。
Aさんは「気を遣わないでください」を敬語にして上のように言ったのですが、この場合は「どうぞお気遣いなく(おきづかいなく)」という決まった言い方があり、そちらを使ったほうが自然です。
(例)
取引先の人 : もう少しエアコンの温度下げますね。
Aさん : あっ、このままでけっこうですので、どうぞお気遣いなく。
取引先の人 : そうですか?
Aさん : はい、ありがとうございます。
◇ 「気を遣ってくれてありがとう」という意味で、「お気遣いありがとうございます」という言い方もあります。
(例)
取引先の人 : いまエアコンの温度下げたので、もうちょっとしたら涼しくなると思います。
Aさん : あー、すみません。お気遣いありがとうございます。
2012年9月6日木曜日
2012年7月26日木曜日
主婦? 主婦の方?
日本で中国語教室を経営しているUさんという方が、地元のケーブルTV局のインタビューを受けていました。
TV局の人: Uさんの教室に来る生徒さんは、どんな人たちなんですか。
Uさん: そうですねー、昼間は近所の主婦が多いですが、夜は会社員が中心ですね。
赤字の部分について考えてみましょう。
この場合の「主婦」「会社員」はUさんにとって、教室に来てくれる顧客にあたります。
下の例のように「~の方(かた)」を付けて、「主婦の方(かた)」「会社員の方(かた)」と言ったほうが丁寧で、顧客として大事に思っている様子が伝わります。
(例)
「そうですねー、昼間は近所の主婦の方が多いですが、夜は会社員の方が中心ですね。」
◇ 顧客に言及する際、職業や国籍の後ろに「~の方(かた)」を付けることで丁寧になり、大切に思う心が聞いている人に伝わります。
(例)
日本人 ⇒ 日本の方/日本人の方
中国人 ⇒ 中国の方/中国人の方
エンジニア ⇒ エンジニアの方
(例文)
・ いろいろな国からのお客様に、この旅館を利用していただいていますが、最近は中国の方が非常に増えまして、中国語に対応できるスタッフの必要性を感じております。
・ このレストランは、仕事でお世話になっているカメラマンの方が教えてくれたんですよ。料理もおいしいですが雰囲気もいいので、撮影でも利用するそうです。
TV局の人: Uさんの教室に来る生徒さんは、どんな人たちなんですか。
Uさん: そうですねー、昼間は近所の主婦が多いですが、夜は会社員が中心ですね。
赤字の部分について考えてみましょう。
この場合の「主婦」「会社員」はUさんにとって、教室に来てくれる顧客にあたります。
下の例のように「~の方(かた)」を付けて、「主婦の方(かた)」「会社員の方(かた)」と言ったほうが丁寧で、顧客として大事に思っている様子が伝わります。
(例)
「そうですねー、昼間は近所の主婦の方が多いですが、夜は会社員の方が中心ですね。」
◇ 顧客に言及する際、職業や国籍の後ろに「~の方(かた)」を付けることで丁寧になり、大切に思う心が聞いている人に伝わります。
(例)
日本人 ⇒ 日本の方/日本人の方
中国人 ⇒ 中国の方/中国人の方
エンジニア ⇒ エンジニアの方
(例文)
・ いろいろな国からのお客様に、この旅館を利用していただいていますが、最近は中国の方が非常に増えまして、中国語に対応できるスタッフの必要性を感じております。
・ このレストランは、仕事でお世話になっているカメラマンの方が教えてくれたんですよ。料理もおいしいですが雰囲気もいいので、撮影でも利用するそうです。
2012年6月7日木曜日
言いたいことがあります?
先日、留守番電話に次のようなメッセージが入っていました。
「あの~、 お忙しいところすみません。ちょっと言いたいことがあってお電話したんですが、また明日かけ直しまーす」
これを聞いて私はとても心配になり、「何だろう、クレームかな・・・?」と不安な気持ちで一晩過ごしました。ところが次の日確認したら、用件はごく普通の内容で、「文句」や「クレーム」などではありませんでした。
<解説>
「言いたいことがある」には、「文句がある」という意味があり、例えば、次のような場面にぴったりです。
(夫婦げんかで)
妻 : ちょっと、黙ってないで言いたいことがあるならはっきり言えば?
夫 : ・・・。
(同僚との会話)
A : まあ、部長のやり方には俺もいろいろ言いたいこともあるけどさ・・・
B : うん、わかるわかる。
◇ 「言いたいことがある」という表現だと、相手を驚かせたり心配させてしまいかねません。以下のように言えば、余計な心配をさせずに済みます。
・ 〇〇の件で、ちょっとお話ししたいことがあってお電話したんですが・・・
・ 〃 ちょっとご相談したいことがあってお電話したんですが・・・
・ 〃 ちょっとご連絡したいことがあってお電話したんですが・・・
「あの~、 お忙しいところすみません。ちょっと言いたいことがあってお電話したんですが、また明日かけ直しまーす」
これを聞いて私はとても心配になり、「何だろう、クレームかな・・・?」と不安な気持ちで一晩過ごしました。ところが次の日確認したら、用件はごく普通の内容で、「文句」や「クレーム」などではありませんでした。
<解説>
「言いたいことがある」には、「文句がある」という意味があり、例えば、次のような場面にぴったりです。
(夫婦げんかで)
妻 : ちょっと、黙ってないで言いたいことがあるならはっきり言えば?
夫 : ・・・。
(同僚との会話)
A : まあ、部長のやり方には俺もいろいろ言いたいこともあるけどさ・・・
B : うん、わかるわかる。
◇ 「言いたいことがある」という表現だと、相手を驚かせたり心配させてしまいかねません。以下のように言えば、余計な心配をさせずに済みます。
・ 〇〇の件で、ちょっとお話ししたいことがあってお電話したんですが・・・
・ 〃 ちょっとご相談したいことがあってお電話したんですが・・・
・ 〃 ちょっとご連絡したいことがあってお電話したんですが・・・
2012年5月31日木曜日
「後程」はどのぐらい後?
先日、ある人にお願い事をしたところ、「少し考えて、後程お返事いたします。」というメールが返ってきました。このメールをもらったのは午後6時半ごろでした。
この場合、どのぐらい後に返事が来ると期待しますか?
① すぐ
② 数時間後~その日のうち
③ その日のうち~翌日
答えは②です。
私も、その日のうちに連絡が来るものと思い、携帯を小まめにチェックしながら夜中まで待っていましたが、返事が来たのは翌日でした。「それなら初めから「明日」と書いてくれればよかったのに・・」と、感じました。
<解説>
「後程(のちほど)」は「後で」をより丁寧にした言い方で、「少し時間が経ってから」という意味です。
「後程ご連絡します。」と言われたら、たいていの人は数時間以内に連絡が来るだろうと期待します。どんなに遅くても「その日のうち」、会社なら「その日の業務時間内」に連絡が来ると思って待ちます。翌日とは思いません。
◇ 「後程」は、どんなに遅くても「その日のうち」です。日付をまたぎません。
「後で」や「後程」は、人によって感覚が違うため、特に仕事ではトラブルを招きがちです。「3時までに」「明日中に」「木曜日までに」など、期限を具体的に言ったほうがいいでしょう。
この場合、どのぐらい後に返事が来ると期待しますか?
① すぐ
② 数時間後~その日のうち
③ その日のうち~翌日
答えは②です。
私も、その日のうちに連絡が来るものと思い、携帯を小まめにチェックしながら夜中まで待っていましたが、返事が来たのは翌日でした。「それなら初めから「明日」と書いてくれればよかったのに・・」と、感じました。
<解説>
「後程(のちほど)」は「後で」をより丁寧にした言い方で、「少し時間が経ってから」という意味です。
「後程ご連絡します。」と言われたら、たいていの人は数時間以内に連絡が来るだろうと期待します。どんなに遅くても「その日のうち」、会社なら「その日の業務時間内」に連絡が来ると思って待ちます。翌日とは思いません。
◇ 「後程」は、どんなに遅くても「その日のうち」です。日付をまたぎません。
「後で」や「後程」は、人によって感覚が違うため、特に仕事ではトラブルを招きがちです。「3時までに」「明日中に」「木曜日までに」など、期限を具体的に言ったほうがいいでしょう。
2012年5月17日木曜日
もう十分です!?
◇ 日本人の家に招待されて、手料理をごちそうになったことがある人も多いでしょう。下のケース
のように、「おいしいけれど、もうおなか一杯で食べられない!」という状況に陥った人も、たく
さんいるはずです。
先日、Cさんは上司の家に招待されました。上司の奥さんの手料理をすすめられるままに食べているうちに、すっかり満腹になりました。
上司 「Cさん、おかわりは?」
上司の奥さん 「どうぞどうぞ遠慮しないで。まだたくさんありますから。」
Cさん 「(困ったなあ・・もう食べられない・・)あ、あの、ありがとうございます。でも、もう十
分ですので。」
Cさんはこの時、上司と奥さんの顔色が少し変わったのに気づいたそうです。
何が良くなかったのでしょうか。皆さんなら、どのように断りますか。
<解説>
「もう十分です」は、「これ以上は要りません」「必要ありません」という意味なので、そのまま使うと冷たく聞こえてしまいます。
(使用例)
・言い訳はもう十分です。(=あなたの言い訳はもう聞きたくないです。)
・話し合いはもう十分です。(=これ以上、話す必要はありません。)
◇ Cさんのケースであれば、次のように言えば良かったでしょう。
Cさん 「ありがとうございます。でも、もう十分いただきましたので・・・」
奥さん 「あら、そうですか・・?」
Cさん 「ええ、本当においしくて、つい食べ過ぎてしまいました。」
◇ 「いただきました」の一言を添えることによって、「おなかが一杯」という説明になります。同時
に、相手への感謝も伝わります。さらに、「本当においしかった!」ことをはっきり伝えれば、OKです。
のように、「おいしいけれど、もうおなか一杯で食べられない!」という状況に陥った人も、たく
さんいるはずです。
先日、Cさんは上司の家に招待されました。上司の奥さんの手料理をすすめられるままに食べているうちに、すっかり満腹になりました。
上司 「Cさん、おかわりは?」
上司の奥さん 「どうぞどうぞ遠慮しないで。まだたくさんありますから。」
Cさん 「(困ったなあ・・もう食べられない・・)あ、あの、ありがとうございます。でも、もう十
分ですので。」
Cさんはこの時、上司と奥さんの顔色が少し変わったのに気づいたそうです。
何が良くなかったのでしょうか。皆さんなら、どのように断りますか。
<解説>
「もう十分です」は、「これ以上は要りません」「必要ありません」という意味なので、そのまま使うと冷たく聞こえてしまいます。
(使用例)
・言い訳はもう十分です。(=あなたの言い訳はもう聞きたくないです。)
・話し合いはもう十分です。(=これ以上、話す必要はありません。)
◇ Cさんのケースであれば、次のように言えば良かったでしょう。
Cさん 「ありがとうございます。でも、もう十分いただきましたので・・・」
奥さん 「あら、そうですか・・?」
Cさん 「ええ、本当においしくて、つい食べ過ぎてしまいました。」
◇ 「いただきました」の一言を添えることによって、「おなかが一杯」という説明になります。同時
に、相手への感謝も伝わります。さらに、「本当においしかった!」ことをはっきり伝えれば、OKです。
2012年4月19日木曜日
何時にいらっしゃるつもりですか??
取引先での業務第1日目が終わり、帰り支度をしていたらEさんに次のように聞かれました。
「明日は何時にいらっしゃるつもりですか?」
私は何だか怒られているような気がしました・・・。
Eさんはただ、「何時に来る予定ですか」と聞きたかっただけでした。
しかし、「~するつもりですか?」と聞かれると、「考えをはっきり説明して!」と、強く迫られているように感じます。
<解説>
「つもり」は、自分が心の中でしようと思っていること(計画)を、他人に打ち明ける時に使います。
(特に深刻なことでなくてもかまいません。)
(正)
・ ゴールデンウィークに、沖縄に行くつもりです。
・ 就職が決まったら引っ越すつもりです。
自分について話すときは問題ないのですが、他の人に向かって「~するつもりですか?」と聞くのは、「本当にそうなの?はっきり説明してよ」と、相手の心を無理に開けようとするのと同じことになります。相手を不快にさせてしまいます。
(誤) 明日は何時にいらっしゃるつもりですか?(=何時に来るのかちゃんと教えて!)
(正) 明日は何時にいらっしゃいますか?
(誤) お客様、空港にはどうやっていらっしゃるつもりですか?(=何で行くのかちゃんと教えて!)
(正) お客様、空港にはどうやっていらっしゃいますか?
◇ 「つもり」を相手への質問に使わないでください。
「明日は何時にいらっしゃるつもりですか?」
私は何だか怒られているような気がしました・・・。
Eさんはただ、「何時に来る予定ですか」と聞きたかっただけでした。
しかし、「~するつもりですか?」と聞かれると、「考えをはっきり説明して!」と、強く迫られているように感じます。
<解説>
「つもり」は、自分が心の中でしようと思っていること(計画)を、他人に打ち明ける時に使います。
(特に深刻なことでなくてもかまいません。)
(正)
・ ゴールデンウィークに、沖縄に行くつもりです。
・ 就職が決まったら引っ越すつもりです。
自分について話すときは問題ないのですが、他の人に向かって「~するつもりですか?」と聞くのは、「本当にそうなの?はっきり説明してよ」と、相手の心を無理に開けようとするのと同じことになります。相手を不快にさせてしまいます。
(誤) 明日は何時にいらっしゃるつもりですか?(=何時に来るのかちゃんと教えて!)
(正) 明日は何時にいらっしゃいますか?
(誤) お客様、空港にはどうやっていらっしゃるつもりですか?(=何で行くのかちゃんと教えて!)
(正) お客様、空港にはどうやっていらっしゃいますか?
◇ 「つもり」を相手への質問に使わないでください。
2012年4月12日木曜日
準備してしまいました?
上司 : Sさん、金曜日のプレゼンの資料は大丈夫?
Sさん : はい。もう準備してしまいました。
◇ Sさんは「終わった」ということを伝えたくてこのように言ったのですが、少し偉そうに聞こえます。なぜでしょうか。
<解説>
「~てしまいました」には、二つの用法があります。
① 「後悔」「反省」「失敗」の気持ちを表す用法
(例)
・ 会議に遅刻してしまいました。
・ ワイングラスを割ってしまいました。
② 「完了した(=完全に終わった)」ことを強調する用法
(例)
・ 午後来客予定があるので、午前中に用事を済ませてしまいました。
・ 時間があったので、使わない資料を全部ファイリングしてしまいました。
②の「~てしまいました」は、「やり尽くした」という意味です。「完全に・徹底的に」という気持ちが含まれます。Sさんのように上司への報告に使うと、「私、がんばりました!」と過剰にアピールしているように聞こえるのです。
また、①の「失敗」の意味に誤解される可能性もあります。
◇ 仕事完了の報告には、「~てしまいました」は使わないようにしましょう。
(例1)
上司 : あさってのプレゼンの資料、できてる?
部下 : はい。準備してあります。
(例2)
上司 : 値札の確認は終わった?
部下 : はい。終わりました。/はい。全部確認してあります。
Sさん : はい。もう準備してしまいました。
◇ Sさんは「終わった」ということを伝えたくてこのように言ったのですが、少し偉そうに聞こえます。なぜでしょうか。
<解説>
「~てしまいました」には、二つの用法があります。
① 「後悔」「反省」「失敗」の気持ちを表す用法
(例)
・ 会議に遅刻してしまいました。
・ ワイングラスを割ってしまいました。
② 「完了した(=完全に終わった)」ことを強調する用法
(例)
・ 午後来客予定があるので、午前中に用事を済ませてしまいました。
・ 時間があったので、使わない資料を全部ファイリングしてしまいました。
②の「~てしまいました」は、「やり尽くした」という意味です。「完全に・徹底的に」という気持ちが含まれます。Sさんのように上司への報告に使うと、「私、がんばりました!」と過剰にアピールしているように聞こえるのです。
また、①の「失敗」の意味に誤解される可能性もあります。
◇ 仕事完了の報告には、「~てしまいました」は使わないようにしましょう。
(例1)
上司 : あさってのプレゼンの資料、できてる?
部下 : はい。準備してあります。
(例2)
上司 : 値札の確認は終わった?
部下 : はい。終わりました。/はい。全部確認してあります。
2012年4月5日木曜日
さんざん・・?
佐藤さんは先日、Bさんの紹介で、Cさんに会いました。
佐藤さん : どうもはじめまして、佐藤です。
Cさん : はじめまして。Cです。佐藤さんのことはBさんからさんざんうかがっております。
佐藤さん : ??
<問題>
Cさんの「さんざん(散々)」の使い方は不適切です。
どのように言えばいいでしょうか。
<解説と答え>
Cさんは「よく」「何度も」という意味で「さんざん」を使ったようですが、この場合は不適切です。
「さんざん」は「ものすごく」という意味で、程度の激しさを表しますが、「不快な気持ち」「うんざりした気持ち」の時に使う副詞です。
(例)
・遅刻のことで、部長にさんざん叱られた。
・取引先から、さんざん文句を言われた。
・同僚と飲みに行って、さんざん会社の愚痴を聞かされた。
つまり、冒頭のCさんの言葉は、「あなたについて何度も聞かされてうるさかった」と言っていることになるわけです。言われた人はもちろん驚きます。
「あなたのことは以前からよく聞いています」と言いたい場合は、「かねがね」という副詞を使います。
(例)
佐藤さん: どうも、はじめまして。佐藤です。今日はお忙しいところ本当にありがとうございます。
Cさん : はじめまして、Cです。佐藤さんのことはBさんからかねがねうかがっております。今日は
お目にかかれて嬉しいです。
佐藤さん: いえいえこちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
◇ 副詞には、ネガティブな意味を持つものがあるので、注意が必要です。
2012年3月2日金曜日
気がついていませんでした?
Aさんは上司から、分厚い資料のコピーを頼まれました。
出来上がったコピーを渡してしばらくしてから、Aさんは上司に呼ばれました。
以下はその時の会話です。
上司 : Aさん、コピーありがとう。でも最後のページが抜けてるよ、ほら・・。
Aさん : あっ、すみません!気がついていませんでした。すぐコピーしてきます。
上司 : そういう時は、「気がつきませんでした」と言うんだよ。
◇ 上司が言うとおり、この場合は「気がつきませんでした」が正解です。
<解説>
◇ 誰かにミス(失敗)を指摘された時は 「気がつきませんでした」と言います。
「その時(コピー中)気がつくべきだったのに、気がつきませんでした」と、はっきりミスを認めるこ
とで、後悔と反省の気持ちが相手に伝わります。
(例)
先輩 : ここ、数字が一けた違ってるんじゃないかな。
あなた: すみません、気がつきませんでした。すぐ直します。
◇ 「気がついていませんでした」は文法的には正しい文ですが、その後の心の状況を説明しているだ
けで、後悔や反省の気持ちを含みません。他人事のように聞こえます。上司はその点に違和感を
覚えたのでしょう。
2012年2月24日金曜日
見つけているところ?
Aさん: 倉庫の鍵、あった?
Bさん: いいえ、(誤) 今、見つけているところです。
Bさん: いいえ、(誤) 今、見つけているところです。
(正) 今、探しているところです。
(正) 昨日財布を失くしてから、ずっと探しています。
(正) 今日本屋で、前から探していた本を見つけました。
◇ 何かを失くしてから見つけるまでの途中経過には、「探す」を使います。
失くす ⇒ 探す ⇒ 見つける
◇ また、「見つける」は一瞬の行為なので、「今、見つけている」(継続)という風に使うことは
絶対にできません。「今、見つけています」と言われると、いったいどんな状況なのか
わかりません。
(誤) 今、新しい仕事を見つけています。
(正) 今、新しい仕事を探しています。
(正) 昨日財布を失くしてから、ずっと探しています。
(正) 今日本屋で、前から探していた本を見つけました。
2012年2月17日金曜日
嫌いな物はありますか?
Aさんは、職場の食事会の幹事になりました。店を決めるため、ほかの人に食べ物の好みを
聞いて回っています。次の聞き方は適切でしょうか。
<解答>
この聞き方はストレートすぎます。「嫌い」の代わりに「苦手」を使ったほうが、相手は答えやすく
なります。
<解説>
「嫌い」という言葉は、強い拒否を表します。
食べ物のことで、そこまで強く好き嫌いを主張するのは大人としてわがままな気がして、相手は
正直に答えにくくなります。親切なようで、親切ではない聞き方です。
こうした場面では、「嫌い」の代わりに「苦手」を使うと、ストレートすぎず、相手は自分の好みを
自由に言いやすくなります。
A: そろそろお店を決めようと思うんですが、Bさん、何か苦手な物はありますか?
B: そうだなあ、できればあんまり辛くない物がいいなぁ・・・
◇ 「苦手」は「あまり好きじゃない」ぐらいの意味で、「嫌い」のようなきつさがありません。
◇ また、「苦手な物」には、体調、体質などの理由で、「嫌い」ではないけれども「避けたい物」も
含まれるので、より親切な質問になります。
2012年2月3日金曜日
ヨウと申しました?
(電話で)
お客様: あの、失礼ですがお名前は・・
葉さん : (誤) わたくし、ヨウと申しました。
(正) わたくし、ヨウと申します。
◇ 電話でいろいろ話して、最後に名前を聞かれることがあります。たまに、「ありがとうございました」の感
覚で、過去形で「~と申しました」と言う人 がいますが、過去形は使いません。名前を言う時は「~と
申します」だけです。
◇ もし日本人で「(名前)と申しました」と言っている人がいたら、その人も間違えて使っているのです。
※ここもポイント※
最初に「わたくし、」と言ってあげると、相手はあなたの名前を聞く準備ができるので、聞き返される確率がだいぶ減ります。
2012年1月13日金曜日
どうもです?
先輩 このボールペン、Kさんのじゃない?FAXのところに置きっぱなしだったよ。
後輩K (誤)あ、どうもです。
(正)あ、どうもすみません。
◇ 「どうもありがとうございます」「どうもすみません」「どうもお久しぶりです」を短縮して、「どうも」とか「どうもどうも」と言うことがありますが、もちろん目上に対しては失礼になります。
◇ Kさんのように「です」をつけて「どうもです」と言えば、何となく丁寧な感じがするかもしれませんが、正しい日本語ではありません。ビジネスでは不適切です。
◇ 会話において、「短縮する」=「丁寧度が下がる」ということを、ぜひ覚えておいてください。
後輩K (誤)あ、どうもです。
(正)あ、どうもすみません。
◇ 「どうもありがとうございます」「どうもすみません」「どうもお久しぶりです」を短縮して、「どうも」とか「どうもどうも」と言うことがありますが、もちろん目上に対しては失礼になります。
◇ Kさんのように「です」をつけて「どうもです」と言えば、何となく丁寧な感じがするかもしれませんが、正しい日本語ではありません。ビジネスでは不適切です。
◇ 会話において、「短縮する」=「丁寧度が下がる」ということを、ぜひ覚えておいてください。
2011年12月22日木曜日
申し伝えます

(誤) 部長の鈴木にそのようにお伝えします。
(正) 部長の鈴木にそのように申し伝えます。
お客様から、身内である上司への伝言を預かった際、適切なのは「申し伝える」のほうです。
「お伝えします」だと、「あなたのために伝言します」という意味のほか、「上司のために、伝言します」という意味にも受け取れます。間違いではありませんが、中途半端です。
「申し伝える」には「あなたのために、伝言します」という意味しかありませんから、お客様だけを高めることになり、敬意の対象が明確です。
最上級者であっても、この「申し伝える」を知らず、「お伝えします」で済ませている人がほとんどです。
伝言を預かることは仕事では日常茶飯事。いったん知ってしまうと、こんなに便利な言葉はないと気づくはずです。ぜひ、使ってみてください。
2011年12月16日金曜日
言われた?頼まれた?
(誤) 部長から、今日の会議の議事録を取るように頼まれました。
(正) 部長から、今日の会議の議事録を取るように言われました。
「頼む」には「おじぎをしてお願いする」というイメージがあるので、会社や上司から通常の業務の範囲で指示を受けた場合に使うと、とても偉そうに聞こえます。
次のように、本来の業務以外のことや、個人的な(特別な)お願いをされたときは「頼まれた」でもおかしくありません。
(正) 部長から今日だけ、病気の趙さんの代わりに通訳をするように頼まれました。
(正) 部長から、お嬢さんに中国語を教えてほしいと頼まれました。
2011年12月9日金曜日
どこに電話してるつもりですか?
間違い電話がかかってきたとき、皆さんはどのように聞き返しているでしょうか。
先日、次のような応対をしている人を見てびっくりしました。
電話を受けた人: はい、ABC商事でございます。
お客様: えっと、あれ、ABC商事?えーっと・・・。
電話を受けた人: どこに電話してるつもりですか?
この聞き方では、相手を叱りつけているのと同じで
す。以前、「どこに電話したいですか」と聞いている人も見ましたが、これも絶対にダメです。

もし、上の例のように相手が戸惑っている様子のときは、「失礼ですがどちらにおかけでしょうか?」という言い方で、確かめるようにしてください。
2011年12月2日金曜日
ただいま!?
Mさんは外回りの営業に行くので、ドアのところで上司にあいさつをしました。
Mさん:じゃ、行ってきます!
上司:はい、行ってらっしゃい。
そして、2時間後、戻ってきました。
Mさん:ただいま!
上司:あ、お帰りなさい。
おそらく上司は、少し変な気持ちがしたはずです。
「ただいま」というのは「ただいま戻りました」の省略形で、自宅や寮などプライベートな場所に帰ってきたときに、家族や仲間に対する言い方です。自分よりも目上の人が含まれる職場に帰ったときは、「ただいま戻りました」と、全文で言うようにしてください。
2011年11月18日金曜日
わかっています!?
先日、ある人と次の打ち合わせの確認をしたとき、
「来週の火曜日の3時でお願いします」
「はい、わかっています」
と言われて、びっくりしました。
念押ししたときの返事として「わかっています」と言うと、「わざわざ言われなくても知っているよ!うるさいなぁ~」という意味になります。もっと悪いのは、「わかっていますよ」と、最後に「よ」をつける言い方です。これだと、(そんな簡単なこと、知ってるよ!馬鹿にするな!)くらいの意味になります。
職場に置き換えてみると、もっとわかりやすくなります。
先輩「会議の場所、2Aから3Aに変わったからね」
後輩「わかっていますよ」
親切な先輩に対し、「そんなこといちいち言われなくても知ってるよ、うるさいな」と言っているように聞こえます。
目上の人から何か確認されて、「もう知っています、大丈夫です」と言いたい時は、
「はい、~ですね」 と繰り返すか、
「はい、聞いています」
と答えてください。
「来週の火曜日の3時でお願いします」
「はい、わかっています」
と言われて、びっくりしました。
念押ししたときの返事として「わかっています」と言うと、「わざわざ言われなくても知っているよ!うるさいなぁ~」という意味になります。もっと悪いのは、「わかっていますよ」と、最後に「よ」をつける言い方です。これだと、(そんな簡単なこと、知ってるよ!馬鹿にするな!)くらいの意味になります。
職場に置き換えてみると、もっとわかりやすくなります。
先輩「会議の場所、2Aから3Aに変わったからね」
後輩「わかっていますよ」
親切な先輩に対し、「そんなこといちいち言われなくても知ってるよ、うるさいな」と言っているように聞こえます。
目上の人から何か確認されて、「もう知っています、大丈夫です」と言いたい時は、
「はい、~ですね」 と繰り返すか、
「はい、聞いています」
と答えてください。
2011年11月11日金曜日
言いました? 言っていました?
2011年11月4日金曜日
よく覚えません?
先輩:この前部長に連れて行ってもらった店、新橋のどのあたりだったっけ。
(正)私もよく覚えていません。
「覚える」という動詞を、「覚えます」「覚えません」として使うことはほとんど無いと考えてください。このような言い方をされると本当に戸惑います。
記憶について話す際は、「覚えている」か「覚えていない」か、そのどちらかの形しか使いません。この「~ている」は、「勤めています」「住んでいます」と同じ種類のもので、現在の「状態」を表します。
(記憶が有る状態)覚えています←→(記憶が無い状態)覚えていません
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