2012年9月27日木曜日

今いち?

上司が部下に、商談の結果を聞いています。

上司: 先方の反応はどうだった?
部下: それが、(誤)今いち はっきりした手ごたえが無くて・・・。
      それが、(正)今ひとつはっきりした手ごたえが無くて・・・。

◇ 「今いち」は、「今ひとつ」から生まれた若者言葉です。フォーマルな場面や目上の人と話す時には使いません。したがって、上の例では「今ひとつ」の方を使います。

◇ 「今ひとつ」は、「自分が期待したレベルに少し足りない」という、ネガティブな気持ちを表します。
(例)
・ 昨日の二次会は今ひとつ盛り上がりませんでした。
・ 昨日の展示会で、我が社の新製品に対する来場者の反応は今ひとつでした。
・ このスマホ、機能は十分なんだけどデザインが今いちなんだよね~。(友達同士の会話)   

2012年9月20日木曜日

「おかまいなく」 vs  「お気遣いなく」

9月6日(木)の記事に関連して、質問をいただきました。

<質問>
「どうぞお構いなく」と「どうぞお気遣いなく」は、同じように使えますか。


<回答>

◇ 「お構いなく(おかまいなく)」
訪問先で、相手が飲み物や食べ物を出してくれそうな気配を感じた時、「どうぞお構いなく」の方をよく使います。「長居するつもりはないので、私に対してそのようなサービスはけっこうですよ」という、遠慮の気持を表します。「断り」ではないので、「お構いなく」と言っても、お茶が出てくることがよくあります。

(例1)
訪問先の人: お忙しいところ、お越しいただいてすみません。今日も暑いですね。今お水をお持ちします。
あなた: あ、どうぞお構いなく・・・。

(例2)
訪問先の人: どうもこんにちは。コーヒーでいいですか。
あなた: あ、すぐに失礼しますので、どうぞお構いなく・・・。

※(例1)と(例2)で「お気遣いなく」を使っても変ではありません。


◇ 「お気遣いなく(おきづかいなく)」
食べ物や飲み物以外の、下のような場面では「お気遣いなく」の方を使います。つまり、「お気遣いなく」の方が、使える範囲が広いと言えるでしょう。

(例3)
訪問先の人: エアコンの温度を下げましょうか?
あなた: いえ、大丈夫です。どうぞお気遣いなく・・・。

(例4)
訪問先の人: いま(上着をかけるための)ハンガーをお持ちしますね。
あなた: いえいえ、どうぞお気遣いなく・・・。

(例5)
訪問先の人: 資料が増えてしまってすみません。紙袋か何か持ってきますね。
あなた: いえ、かばんに入ると思いますので、どうぞお気遣いなく・・・。

2012年9月13日木曜日

~のことを思い出します。

① 地震の日を思い出すと、今でも怖くなります。
② 地震の日のことを思い出すと、今でも怖くなります。

◇ 具体的な日にちではなく、「その日の状況、様子を思い出す」と言いたい場合は「のこと」を付けて「地震の日のこと」と言います。「時」の場合も同様です。

(例)
・ 地震の時のことを思い出すと、今でも怖くなります。
・ 面接を受けた日のことは、よく覚えています。

◇ 人や物、場所に関する記憶の場合も同様です。
単に名前だけではなく、「様子、雰囲気、出来事など」という意味がはっきりします。

(例)
・ あの人のことは、よく覚えています。 
・ 最近よく、昔住んでいた町のことを思い出します。

2012年9月6日木曜日

気をおつかいにならないでください?

先日Aさんは取引先を訪問しました。その日は猛暑でした。

取引先の人 : 暑い中お越しいただいてすみません。あっ、もう少しエアコンの温度下げますね。
Aさん     : あっ、このままでけっこうですので、気をお遣いにならないでください

Aさんは「気を遣わないでください」を敬語にして上のように言ったのですが、この場合は「どうぞお気遣いなく(おきづかいなく)」という決まった言い方があり、そちらを使ったほうが自然です。

(例)
取引先の人 : もう少しエアコンの温度下げますね。
Aさん     : あっ、このままでけっこうですので、どうぞお気遣いなく。
取引先の人 : そうですか?
Aさん     : はい、ありがとうございます。

◇ 「気を遣ってくれてありがとう」という意味で、「お気遣いありがとうございます」という言い方もあります。

(例)
取引先の人 : いまエアコンの温度下げたので、もうちょっとしたら涼しくなると思います。
Aさん     : あー、すみません。お気遣いありがとうございます。